分譲マンションの管理の主体は、マンション管理組合で、管理組合の事務代行としてマンション管理業者などに委託する場合がありますが、今回は法律上の要件について解説します。
マンション管理組合
マンション管理組合とは、 区分所有法の規定で定められたもので、区分所有の共同住宅=分譲マンションの管理を行うための区分所有者全員からなる団体です。
(区分所有者の団体)
第三条 区分所有者は、全員で、建物並びにその敷地及び附属施設の管理を行うための団体を構成し、この法律の定めるところにより、集会を開き、規約を定め、及び管理者を置くことができる。一部の区分所有者のみの共用に供されるべきことが明らかな共用部分(以下「一部共用部分」という。)をそれらの区分所有者が管理するときも、同様とする。
区分所有法3条 抄
マンションでは一般的にマンション管理組合(管理組合)といわれており、マンション管理適正化法の中で定義されています。
三 管理組合 マンションの管理を行う区分所有法第三条 若しくは第六十五条 に規定する団体又は区分所有法第四十七条第一項 (区分所有法第六十六条 において準用する場合を含む。)に規定する法人をいう。
マンション管理適正化法 第2条3号 抜粋
管理組合は、マンションの共用部分の管理、修繕等の管理事務について、集会(総会)を開くなどし、管理規約等を定め、規約や集会の決議に沿ってマンションの管理を行います。
マンション管理業
マンションの管理の適正化の推進に関する法律で規定された、マンション管理組合から委託を受けて、業として分譲マンションの管理事務を行なう法人又は個人のことです(マンション管理適正化法第2条)。マンション管理業は国土交通大臣の登録が必要で、必ず、国家資格者である管理業務主任者をして行う必要があります。
(定義)
第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号の定めるところによる。
一 ~三 略
四 管理者等 区分所有法第二十五条第一項 (区分所有法第六十六条 において準用する場合を含む。)の規定により選任された管理者又は区分所有法第四十九条第一項 (区分所有法第六十六条 において準用する場合を含む。)の規定により置かれた理事をいう。
五 マンション管理士 略
六 管理事務 マンションの管理に関する事務であって、基幹事務(管理組合の会計の収入及び支出の調定及び出納並びにマンション(専有部分を除く。)の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整をいう。以下同じ。)を含むものをいう。
七 マンション管理業 管理組合から委託を受けて管理事務を行う行為で業として行うもの(マンションの区分所有者等が当該マンションについて行うものを除く。)をいう。
八 マンション管理業者 第四十四条の登録を受けてマンション管理業を営む者をいう。
九 管理業務主任者 第六十条第一項に規定する管理業務主任者証の交付を受けた者をいう。
区分所有法 2条抜粋
「管理事務」とは、「※基幹事務」を含む場合をいいます。基幹事務は「管理組合の会計および出納」、「維持または修繕に関する企画等」をいう(同法2条6号)とされていますので、
単に、管理人や清掃だけを行なう場合などは機関事務にあたりません。従って、マンション管理適正化法上は、マンション管理業に該当しないことになるので、マンション管理業者ではなくても可能です。
なお、基幹業務の一部のみを行う場合、マンション管理業者には該当しないとされていますが、有償(金銭の受領など)でこれらの事務を行う場合は、他法令(行政書士法、弁護士法等)の規制がありますので、マンション管理士や経営コンサルタントが行う場合は注意が必要です。
具体的には、会計帳簿の作成代行や、規約改正等の書類作成については、マンション管理業者や行政書士の業務となりますので注意してください。
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