共有名義になっている部屋への滞納管理費請求

マンション管理

今回は、共有名義、つまり区分所有者が1つの部屋につき複数いる場合の滞納管理費の請求についての問題です。

共有名義になっている部屋への滞納管理費等請求件|区分所有法の考え方

管理費等の負担について区分所有法では、区分所有者が共用部分の持分割合に応じて負担するとしています。つまり、➡法律をもとに管理規約が策定され、➡その持ち分割合をもとに各住戸(各部屋)ごとに負担すべき管理費等が定められています。

管理費等の支払い対象は住戸に生じる単独所有か共有かを問わず、その住戸の所有者に生じます管理費、修繕積立金などは、建物の維持管理の重要な資金ですので、法律上の性質として不可分な債務として、1つの部屋が共有であってもその所有負担割合によって分割することはできません。共有者はいわゆる「連帯債務」の関係になります。

数人が連帯債務を負担するときは、債権者は、その連帯債務者の一人に対し、又は同時に若しくは順次にすべての連帯債務者に対し、全部又は一部の履行を請求することができる。

民法第432条

このようなことから管理組合は一つの住戸の所有者が共有である場合は、その共有者の全員に等しく請求権が生じますので、滞納している管理費等について、共有者全員に満額を請求をすることができます。

つまり、法律上は、管理組合は共有者全員に対して等しく管理費などの請求権を持ち、事務処理上便宜的に代表者を指名して請求しているにすぎないのです。

催告の抗弁権という考え方はできません

西湖くり抗弁権という考え方がありますが、用語は難しいですが、 これは、債権者が保証人などに債務の履行(つまり、金p化の支払い)を請求したとき、保証人等が、まずは「主たる債務者に催告(催促という意味です。)をなすべき旨を請求することができる権利」のことで、民法第452条本文に記載があります。

マンションの1つの部屋の共有者は保証人ではなく、当事者本人であるため、管理費等を請求された共有者は「ほかの共有者に請求してくれ」と他の共有者に支払の責任を押しつけることはできないのです。

管理組合から見て、管理費等の請求対象の最小単位は一住戸です。管理組合は共有者同士の負担割合は関係なく、負担分の問題(つまり、請求された管理費をどう按分するか)は共有者同士の問題であるので住戸の共有持ち分を考慮して請求する必要は全くありません。

管理組合の未納者や共有者への対処は厳格に

管理費等の請求や滞納督促は口頭で支払いがない場合は、通常、書面で行います。この場合、管理費等は管理組合の債権を明らかにし、滞納区分所有者に債務の存在、つまり未納があることを認めさせることに重要な意味があります。ところが、管理組合が折れて、分割請求を行ってしまうと、滞納している区分所有者(共有者)から見て自分に支払義務のある金額が明確でなくなってしまう恐れがあり、管理組合が譲歩した結果、管理費の滞納額が曖昧になってしまう可能性がありますので、注意が必要です。

結論として、共有者への分割請求は行うべきではなく、最終的には共有者全員に満額の支払義務があることを明示して、督促を行うことができます。

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