マンションの放置車両を撤去する方法

マンション管理

マンションでは、駐車場を貸し出している場合がありますが、賃貸人や区分所有者の 駐車場使用契約が失効したものの、自動車が乗り捨てられた状態で放置され問題となっていることがあります。放置車両はマンションの敷地を不法占拠していることとなり、このような放置車両の撤去は勝手にはできません。

今回はこうした放置車両を撤去する手順についての解説です。

法律上は、勝手には撤去できない

  1. 駐車場などの敷地に車両が放置されている場合、自動車が自己の所有物でないので、勝手に処分はできません。
  2. 民事上、放置車両の所有者に対しては、撤去を請求することは可能
  3. また、土地を使用できないことによる損害賠償請求が可能です(民法709条不法行為)。
  4. そして、刑事上も、威力業務妨害罪(刑法234条) 、建造物侵入(刑法130条)などの罪に問える可能性あり

しかし、だからといって、所有者の了解なくレッカー移動したり、売却したりすることは、所有者の財産権の侵害となるため、出来ません。

これを、法律用語では「自力救済の禁止」といいますが、 つまり、車を捨てるなど勝手に実力行使をしてはならないという法理で、

例えば、家族や友人が暴力を振るわれたからと言って、加害者を実力で暴力制裁することはできず、裁判判決によって、国家権力より刑罰が科されるのです。民法(民事)では明文はありませんが、同様と考えてください、

まずは所有者に連絡し、放置車両の撤去を促す

所有者が分かっている場合は、管理費の督促同様、放置車両の所有者に対して、撤去するよう通知します。

  • 最初は通常の郵便、
  • 最終的には内容証明郵便で督促します。
  • これらの郵便が届かなければ、所在不明ということで、訴訟手続きに移行します。

※所有者が不明な場合は、自動車であれば、普通乗用自動車の場合、「登録事項等証明書」で所有者の氏名、住所等を確認可能です➡運輸支局で、前述の記録化した資料を添付して請求することで、当該車両の「登録事項等証明書」の交付を受けることができます(弁護士に依頼が無難です)。※請求前には必ず、放置の状況等を記録に取っておきましょう!!

それでもだめなら訴訟の提起

内容証明郵便で応答しない場合でも裁判所から送達される訴状を受領した後に応答してくる相手方もいます。➡ここで和解すれば解決です。

また、訴訟提起後に任意撤去(和解)が実現するケースもありますが、

訴訟提起しても相手方が無反応な場合、判決を取得します!

ます、

❶所有者に対し以下の内容の通知をします。

  • 駐車区画明け渡し
  • 未払管理費の支払い
  • 不法占拠に対する損害賠償の支払い

※上記内容証明の内容です。

❷これらを請求する訴訟を提起します。

所有者が所在不明でも公示送達の手続によって、訴状の送達の効力を発生させることが可能です。マンション管理組合は、駐車場の所有(使用)権限に基づき、原告となることができます。

❸勝訴判決を取得します。

判決を取得後、ようやく、車の処分ができることになりますが、これは、別途、裁判所に強制執行の申立をすることで実現をはかります。

❹車両の差押え(競売手続き)について裁判所に申し立てます。

1.車両が無価値の場合

放置車両が無価値と判断できる場合、土地明渡の強制執行を申し立てます。執行官が放置車両を無価値と判断した場合は、執行官の指示に従い、当該車両を廃棄処分することになります。※勝手に無価値と判断して処分してはいけません!!

無価値である自動車は管理組合に委ねられることが多いと思いますが、 廃車手続きが必要ですので、行政書士や自動車販売店等の専門業者に手続きを依頼し、放置車両を引き取ってもらうことで目的が達成されます。※ただし、費用はかかりますが。

2.車両に価値がある場合|競売

土地明渡の強制執行を申立後、放置車両に価値があることが分かった場合、執行官が当該自動車に対して強制競売の申立てを行うことが考えられます(民事執行規則86条以下)。そもそも、 申立時に放置車両に価値があることが分かっている場合は、

  • 普通乗用自動車は、自動車競売の申立
  • 軽自動車については、動産執行の申立

ができます。

強制競売手続において、当該車両が当該土地から移動して保管されれば➡車両撤去完了

競売が設立すれば、ある程度費用を回収できます。

軽自動車の場合は、競売ではなく、通常は、執行官が売却手続を実施(民事執行規則154条の2第2項前段)。➡申立人が買取も可能。中古車販売業者に依頼をして競落をしてもらったりすることで、当該車両の処分をすることが可能になります。

※強制執行申立は、裁判所に予納金を納付する必要があり、また弁護士に依頼すると日の費用も掛かるので、お金がかかることは確かです。

強制執行に至る前に任意撤去できるかをよく検討しましょう!!

 

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